日本ファジィ学会誌
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GAを用いた無限多値近似推論エンジンの構成
山本 喜則
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1999 年 11 巻 5 号 p. 830-840

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抄録

以前, 無限多値しきい値関数を新たに定義して近似推論エンジンを構成する方法を提案した.方法の本質は規則表が表わす超曲面を無限多値しきい値関数の式で一括表現することにあり, 制御への応用も有効であることを示した.本論文は, その構成において未解決の問題:非線形や非unateな規則表等を一括表現する方法を議論する.前論文[10]で述べたように, 対象の超曲面はその(整数入山力に対応する)格子点が表わす有限多値論理論理関数をまず求め, 次いでアナログ値入力を与えることで近似実現できる.したがって問題は任意の多値論理関数のしきい値関数による実現問題に帰着するが, このことは多値論理において必ずしも簡単な方法が得られているわけではない.本論文では遺伝的アルゴリズムとしきい論理で今まで得られている知見を活用して多段回路網を自動生成する方法を述べる.方法の要点は, 多値に対応した重みとしきい値より成る遺伝子型を考え, 最大重みを生成するよう初期値設定した遺伝子型に単純GAのアルゴリズムを適用する点にある.前論文で例示した複雑な規則表もこの方法で回路網実現できる.併せて本手法の能力と限界について考察する.

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© 1999 日本知能情報ファジィ学会
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