日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
マメ類の連作圃場における活性炭の施用がダイズの生育および 収量性に及ぼす影響
元木 悟西原 英治北澤 裕明久徳 康史上原 敬義矢ヶ崎 和弘酒井 浩晃重盛 勲
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2012 年 81 巻 1 号 p. 77-82

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抄録
ダイズの連作障害におけるアレロパシーの関与について調査するため,ダイズの無作付け土壌および1,2,3,5年作付けした土壌にレタスを播種し,バイオアッセイを行った.その結果,ダイズを1年以上作付けした土壌には,レタス幼苗に対する生育阻害活性が認められた.その際,活性炭添加による生育回復効果はダイズの連作年数の増加により小さくなり,土壌の生育阻害活性は,連作年数が増加するに従い上昇するものと考えられた.また,根圏土壌の理化学性について調査したところ,ダイズを作付けした根圏土壌には,塩類の集積やpHの変動,無機養分の異常あるいは病害の発生が認められなかった.従って,ダイズの連作障害の一因としてアレロパシーの関与が考えられた.この結果を踏まえ,アレロパシー物質の吸着効果を有する活性炭の,マメ類連作圃場への施用がダイズの生長に及ぼす影響について,「タチナガハ」,「エンレイ」,「玉大黒」,「小真木ダダチャ」および「夏の声」の5品種を用いて調査した.「タチナガハ」,「玉大黒」および「夏の声」では,活性炭の施用により,収量性の低下が軽減された.
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© 2012 日本作物学会
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