日本ファジィ学会誌
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ファジィ論理とGAによる三重倒立振子のマン・マシン共同操作システム
増井 重弘寺野 寿郎井田 博哉
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2000 年 12 巻 1 号 p. 75-83

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抄録
現代の自動制御は人間にはできないような高度な作業ができる反面、人間なら行える作業ができない欠陥も持っている。ここで対象とした三重倒立振子の制御は仮想的な作業であるが、人間の操作負担を軽減させるとともに不安定制御系の制御機能を向上させる事ができるマン・マシンシステム開発の方法論として提案する。人間が制御困難な三重倒立振子のように非常に不安定な系の制御を対象としたファジィコントローラの完全な設計は大変困難である。従って、この手動制御の結果から簡単なファジィコントローラを設計した。また、大変な労力を要するファジィコントローラのチューニングを自動的に行うため、メンバシップ関数の設定をGAにより行う。GAの適用はメンバシップ関数の設定が容易にでき制御能力も向上して有効である。更に制御能力の向上とロバスト性をあげるため、この簡単なファジィコントローラと人間によるマン・マシン共同操作システムを構築した。このマン・マシン共同操作システムは、熟練者単独でも制御不可能な不安定系の範囲を容易に制御可能とした。また、本システムは初心者でも制御ができる利点がある。
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© 2000 日本知能情報ファジィ学会
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