2000 年 12 巻 2 号 p. 286-294
本研究の目的は, 分割表から規則を抽出することである。しばしば、規則は決定木を使って表される。ID3, C4.5やSee5/C5.0など、効率的に決定木を構成する方法が提案されてきた。決定木を使って知識を表現するときには, 最初の変数が変わることによって、得られる知識が大きく変化してしまう危険性がある。もしも、知識を獲得する目的が観測結果を解釈することにあるのならば、規則が大きく変化することは望ましいことではない。さらに決定木は、同じような効果を持った複数の変数がある場合に, それらのいくつかを見落とす傾向がある。これらは、観測対象を分割しながら逐次的に規則を構成するという方法の中に原因がある。したがって, 本研究では, 分割ではなく融合によって少数の規則を得ることとした。この結果, ID3やSee5に比べて、より詳細な規則が得られることがわかった。