抄録
本研究では高度な知能化センシングシステムを有する人間の感覚統合システムを模倣し, 複数のセンサ情報を統合あるいは融合するセンサフュージョンシステムを構築することを試みた.本論文では人間の視覚機能をセンサフュージョンの1つとしてとらえ, 第3章においてステレオ視と明るさ解析法の2つの視覚モジュールから得られる情報から形状再構成を行う手法を提案した.また, センサから得られる情報は本来不確実なものと考え, その不確実さを考慮したセンサフュージョンシステムの構築を目指し, 1)第5章:リカレントファジィ推論を用いたセンサ融合, 2)第6章:センサ選択機能を持つセンサ融合システムの2つの手法を提案した.本研究ではセンサフュージョンへのニューラルネットワーク, ファジィ理論, 進化的手法のさまざまな適用を行うことによって人間の持つ感覚統合機能を模倣した高度な情報処理の実現に向けての1つの方向性を示唆することができた.