本研究は、複数の属性と分類クラスからなる事例集合から木構造の判断規則の集合を学習する帰納学習分野に関する研究である。初めに、従来の帰納学習法の属性に関する制限を緩和し、離散値、数値、ファジィ値、からなる属性を持つ事例集合から、ファジィ決定木形式のファジィルールの集合を獲得するIDFを提案する。次に、分類クラスに関する制限を緩和し、数値を扱うことを可能とした連続型IDFを提案する。また、学習したファジィ決定木に対して、推論精度が低いと予想される部分を抽出し、新たな事例集合を利用して、部分的にファジィ決定木を洗練する洗練型IDFを提案する。最後に、パラメータに依存した属性値を扱うため、属性に関連するパラメータを調整しつつ、ファジィ決定木を獲得する探索型IDFを提案する。これら手法を、倒立振子問題、移動のしやすさを考慮した経路探索問題、画像を用いた不良診断問題等に適用し有効性を検証する。