抄録
屋内環境において単一カメラを視覚に使って、床面と障害物や壁との境界線を検出して通路を発見し、壁や障害物を回避しながらファジィ制御により自律的に移動する走行ロボットを既に報告した。 自律移動ロボットの誘導制御の目的の一つにある地点から希望の地点まで地図上で指定された経路に沿って移動させることがある。本論文では、直交する直線経路のみからなる室内環境において、この障害物回避のファジィ制御法を応用してある地点から目的とする地点まで地図上で指定された経路に沿って自律的に移動させることを検討したものである。制御法は交差点等において仮想障害物を置く画像処理によって指定された方向へ誘導するようにするもので、パソコン上でのC言語によるシミュレーションと実験によってその有効性を確かめた。シミュレーションで開発された制御プログラムはロボットに移植され、移動経路は通過交差点の順番とそこでの進行方向を指定することで行われる。