抄録
国際的な葛藤解決のための国際協約の有効形成には、特性関数型n人協力ゲームが利用されうるが、本論文では特に特性関数の評価にあいまいさを導入することによって、特性関数型協力ファジィ・ゲームとして定式化し、その有効な解の性質について考察する。特性関数型n人協力ファジィ・ゲームは、特性関数値がある許容範囲としての間差のある値をもつように拡張され、定義される。通常の特性関数型n人協力ゲームにおける解である仁が、このファジィ・ゲームにおいても同様に定義でき、ファジィ制約付き線形計画問題として定式化され、その性質が吟味される。