抄録
コンピュータを利用して個別学習の進行を支援するCAL(Computer Assisted Learning)では教材制作者の設計通りにしか学習が進まないので, 試行錯誤しながら徐々に理解を高めるという我々が普通に行う学習方法に沿った支援を実現するには綿密な教材設計が必要である。本論文では, そうした教材設計を簡略化するために, 教材に対する学習者の理解度をファジィ数で表し, 試行錯誤型学習のための2種類の支援規則をファジィ論的に定式化した。本CALシステムの挙動のシミュレーションでは, 簡明な規則でありながら学習者の理解状況に適切な試行錯誤型学習の支援を実現している。