日本ファジィ学会誌
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メンバシップ関数の形状パラメータに関する制約条件を考慮した勾配法によるファジィモデリング
片山 立梶谷 雄治藤山 晃治西田 行輝
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1993 年 5 巻 6 号 p. 1393-1407

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抄録
ファジィモデルのパラメータを勾配法によって学習するファジィモデリング手法が提案されているが, これらは前件部メンバシップ関数の形状パラメータに関する制約条件が考慮されていない問題点がある。本研究ではまず C^n級のファジィモデリング問題を前件部メンバシップ関数の頂点座標の大小関係を規定する不等式制約条件を考慮したパラメータ最適化問題として定式化する。次にこの不等式制約条件付問題を内点ペナルティ法を用いて制約無し問題に変換する。さらに変換された問題における拡張目的関数に対し, 前件部メンバシップの頂点座標と後件部実数値に関する勾配を導入し, これにもとづいた勾配法によるモデルパラメータ学習則を導く。さらにこの学習則と, 平均推論誤差の大きいファジィ分割領域に逐次的にメンバシップ関数とルールを生成するルール生成アルゴリズムとを組み合わせた, 自由グリッド法と呼ばれるハイブリッド型知識獲得アルゴリズムを提案する。自由グリッド法を非線形関数の近似問題に適用し, 提案手法が従来の勾配法によるモデリング手法と比較してより少ないルール数で所望の誤差を実現できることを示す。またC^0級, C^1級, C^2級のファジィモデルに対し自由グリッド法を適用し, 前件部メンバシップ関数の形状の差による関数近似能力を比較する。
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© 1993 日本知能情報ファジィ学会
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