日本ファジィ学会誌
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ファジィ理論による遮音塀設置に対する心理的評価手法
山口 静馬佐伯 徹郎老松 建成加藤 裕一
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1995 年 7 巻 4 号 p. 883-894

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抄録
騒音の評価問題は、最終的には人間の主観に基づく心理的判断に帰することから、物理的な騒音対策手法と心理的応答との関係を定量的に把握することが騒音対策上基本的に重要となる。本研究は、人間の主観的判断に付随するあいまい性を考慮しながら、前者の物理的遮音対策手法と後者の心理的騒音評価との関係を系統的に考察することを試みたものである。即ち、任意のレベル確率分布状とパワースペクトル形状をもつ不規則変動騒音に対して、通常よく用いられる騒音対策法の一つである遮音塀を新たに設置した場合、騒音に対する心理的応答がどのように変化するかを予測するための方法を考察している。具体的には、遮音塀設置前における騒音のパワースペクトル、設置すべき遮音塀の回析減衰特性および遮音塀設置後の騒音レベル変動に対する予測確率分布を用いて、心理的評価が遮音塀の有無によってどのように変化するかを予測している。予測結果と心理実験による実測データとの比較を行ったところ、両者のほぼ良い一致が認められた。
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© 1995 日本知能情報ファジィ学会
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