抄録
職業に関する意思決定を支援する場合, 将来の見通しを持つような支援, すなわち, 個人の生活における仕事の意味と人生における仕事の意味という視点からの支援が重要である.しかし, 人はこれらについて, 明確に意識しているというよりも, 漠然とあいまいに感じていることがほとんどあろうから, その意識を構造化してフィードバックして示すことが, 有効な心理的支援になると思われる。そこで, 本研究では, 大学生の職業に関する意識構造の分析に, 一対比較型評価データにファジィ理論を用いた構造モデルであるファジィ構造モデル(FSM)を応用することを試み, さらにFSM法の意思決定支援としての有効性を論じる.