本研究では, システム信頼性最適化問題の効率的な解法を構築するために, 遺伝的アルゴリズム(GA)を新たに提案している.また, 信頼度を信頼区間として評価し, 悲観的/楽観的な状況を想定した信頼性設計法を構築している.すなわち, 1)大規模な非線形整数計画問題に対してGAを適用する場合, 実行不可能な染色体の情報を評価関数に取り込むことで染色体選択の幅を広げた改良GAを提案し, 高速で極めて高い精度の解が得られることを確認した. 2)区間データを伴うシステム信頼性最適化問題の改良GAによる提案解法は, 信頼性設計基準により, 下限信頼度, 通常の信頼度(確定値), および上限信頼度を得ることが可能となり, 製品の企画・設計者の意思でシステム全体の信頼区間を選好できることを可能とした. 3)制約条件が非線形で, かつ区間データの乗序算を含む同問題は, 線形制約条件の場合のように容易に区間データを扱えなかった.この問題点に対し, 区間の四則演算を区間制約式および区間目的関数に取り入れ, 改良GAにより解く手法を提案している. 4)区間不等式の成り立つ度合いの係数を指定することで, 資源量の制約を重視する設計, あるいは信頼度を重視する設計など, 意思決定者の意思を定量的にシステム信頼性設計の向上に反映できることを実証している.
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