日本ファジィ学会誌
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ファジィ推論によるプロセス異常診断システムの開発
楊 宗霄鈴木 和彦島田 行恭佐山 隼敏
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1996 年 8 巻 6 号 p. 1073-1086

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抄録

実用的プロセス異常診断システムを構築するには, 異常に関する知識と運転に関する情報の不確実性, 専門家経験のヒューリスティック性及び知識表現に関する言語の意味のあいまい性などを処理することが要求される。本論文では, フォールトツリー解析とファジィ推論を用いたプロセス異常診断システムの開発の一手法を提案する。フォールトツリーのミニマルカットセットの情報と異常伝播の関係を明らかにすることにより, ルールベースを作成する。対象プロセスの異常に関する知識のファジネスについて, ファジィ故障解析モデルを提案することにより, ルール結論部の可能性分布として, 知識ベースに格納しておく。プロセスの運転データと知識ベースとのパターンマッチングを行い, ファジィ制御における推論を異常診断に適用する。ファジィ推論の結果に基づき, プロセス異常の原因と診断グレードを推定する。最後には, 実験プラントにより検証し, 提案した異常診断システムの有効性を明らかにする。

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© 1996 日本知能情報ファジィ学会
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