日本ファジィ学会誌
Online ISSN : 2432-9932
Print ISSN : 0915-647X
ISSN-L : 0915-647X
ニューラルネットワークを用いた地震動の初期微動による主要動予測手法
恒川 裕史
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 9 巻 4 号 p. 551-559

詳細
抄録

防災対策のために, 地震の初期微動と主要動との時間差を利用して, 初期微動を観測してから主要動が来襲する前にその地震による揺れを予測する手法を開発した。この時間差を利用して, 居住者の避難誘導, エレベータ・ガスの停止, AMD(制振装置 : Acrive Mass Demper)の制御などを行なうことができる。これにより, 大きな地震動に対する準備を行うことができ, 地震による被害を最小限にすることが可能となる。ファジィ化した震動方向データ等を入力とした階層型のニューラルネットワークを用い, 実測データに基づいて最大加速度を予測した。また, 特に精度の悪かった地震を例外として扱うことで, 例外を用いないモデルに比較して予測精度が約5倍に, 線形回帰モデルに比較しても約3倍に向上した。

著者関連情報
© 1997 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top