機能水研究
Online ISSN : 2759-551X
Print ISSN : 1348-2432
電解水の安定性に対するpH及び温度の影響
西本 右子井上 啓
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 2 巻 2 号 p. 71-74

詳細
抄録

強酸性電解水は0.1%以下の塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの強電解質を添加した水溶液を電気分解して得られた殺菌作用を有する陽極水である。強酸性電解水の殺菌因子は、塩の電解分解で生じる次亜塩素酸の作用が主である。次亜塩素酸は水溶液中では次亜塩素酸イオンと平衡系にあるので、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの存在比はpHによって決まるが、pH2.5以下の酸性側では平衡系は成立せず、溶存塩素が生成する。そのため酸性電解水の安定性もpHによって変化すると考えられた。そこで本研究では、酸性電解水の有効塩素量の安定性に対するpHおよび保持温度の影響を明らかとすることを目的として、2種の方法で調整した電解酸性水と、pH2~7の範囲で有効塩素量が0.27~0.28mmol/Lとなるよう調整した疑似的電解水を用いて、各測定を行った。その結果、酸性電解水の安定性にはpHと保持温度の影響が大きいことが分かり、pHを3以上とし、冷蔵保存することで使用期間延長の可能性が考えられた。

著者関連情報
© 2003 日本機能水学会
前の記事 次の記事
feedback
Top