抄録
食品取扱施設では水を食品製造原料として使用するばかりでなく、食材や使用器具・施設の洗浄、冷却や蒸気の発生など様々な目的に使用する。特に食品製造原料として使用する場合は食品の安全性に直接関係するので、管理された安全な水を使わなければならない。「食品等事業者が実施すべき管理運営に関する指針(ガイドライン)によると食品取扱施設で使用する水は、飲用適の水であることが規定されている。飲用適の水は食品衛生法が規定している基準に適合した水を指すが、水源や給水施設の規模などで基準項目や検査頻度が異なる。
本稿では食品取扱施設で使用する水について給水施設や原水及び使用水の水質管理を中心に解説する。