2022 年 6 巻 1 号 p. 28-35
【目的】内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)を施行した,バレット食道腺癌(Barrett's esophageal adenocarcinoma:BEA)患者の経時的変化を含めた臨床的特徴および治療成績を明らかにすること.【対象】2007年9月から2020年7月に鹿児島県内6施設でESDを施行したBEA45例47病変.【方法】患者背景,治療成績を後方視的に検討した.また,2008年から2019年の12年間を前期,後期に分け,同期間にESDを施行した食道扁平上皮癌(squamous cell carcinoma:SCC)症例を含めた,全食道ESD数に対するBEAの占める割合を比較した.【結果】BEAは喫煙歴のある高齢男性に多く,ESDは安全に施行できた.【結語】本県でESDを施行した食道癌は年々増加しており,一定頻度のBEAを含んでいた.