2014 年 2014 巻 28 号 p. 28_23-28_28
『作庭記』は、以下のように書く。「石をたてんにハ、まづおも石のかどあるをひとつ立おおせて、次々のいしをバ、その石のこはんにしたがひて立べき也。」しかし、石はものを言わない。ものをいうはずのない石の求めに従え、とは、読者に何を伝えようとしているのか。
そこで、たんに新解釈を提示するのではなく<経営課題に置き換えて理解したら別の意味で参考になるのではないか>という考えに基づき、結果として<まったく別のものに置き換えて考えることで、かえって新しい光を当てる>ことをめざした。本稿は、新解釈の提案ではなく、あくまで「石のこはん」という記述を経営戦略の課題と重ねて、考察を提示するものである。