日本庭園学会誌
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論文
長野市の松代城下町の池庭群を支えている水路網の近年の変化
佐々木 邦博長井 有紀
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キーワード: 城下町, 水路網, 池庭
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2016 年 2016 巻 30 号 p. 30_1-30_10

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抄録
本研究の目的は、江戸時代起原の水路網と多数の池庭が残されている長野市松代町において、近年のそれらの減少を明らかにし、その要因を探ることを目的としている。水路と池庭の調査は、1981年から5回行われており、その調査結果を比較して、明らかにした。水路に関しては、主に泉水路が消滅している。代官町の北側、馬場町の北側、表柴町の東と南側があげられる。ただ、カワは変化せず、セギもほとんどが失われていない。いわば、水路網の骨格は残っているといえる。池の減少だが、全体で45%の池が失われている。その原因は、宅地化と水量不足が特に挙げられている。今後の保全を考えると、所有者、地域住民、行政の、3者が協力して対策を練ることが重要である。
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