2002 年 2002 巻 10 号 p. 11-32
本研究の目的は、江戸時代を代表する国指定文化財庭園を対象に、植栽樹木の特徴と推移を探り、文化財庭園における管理のあり方を提案することである。このような目的で浜離宮庭園の樹木調査等をもとに分析し、植物の推移について考察してみた。その結果、(1) 高中木、低木ともに常緑樹が大幅に増加しており、近い将来、高木層の50%以上、低木層の約80%を占めることが推測でき、重厚、荘厳な雰囲気をもつことになる。(2) 高木層を構成する主な樹種の推移は、自生種型、植栽種型、後退種型の三つの型に分けることができた。(2) 樹木の生育状況は、ブロック毎に異なっていることがわかり、それらを三つのタイプにわけることができた。