日本庭園学会誌
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小石川後楽園の植栽構成に関する史的考察
特に創成期・頼房、光圀時代について
中島 宏
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キーワード: 創成期, 地割, 植栽構成
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2002 年 2002 巻 10 号 p. 33-51

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抄録
本研究の目的は、江戸時代を代表する国指定文化財庭園を対象に、植栽樹木の特徴と推移を探り、管理のあり方を提案することである。このような目的で小石川後楽園を調査した結果、この庭園は水戸家の徳川頼房時代に着手し、徳川光圀時代に完成したことが分かった。そこで、創成期の庭園における植栽の構成について考察した。その結果、(1) 既存の地形や自然を保全しながら地割や意匠をしており、それらを四つのタイプに分けることができた。(2) 頼房は将軍家光や徳大寺との関わりのなかで作庭記の技法により京都付近の名勝等を、光圀は舜水との関わりのなかで儒教の精神により中国風の意匠等を取り入れ、植栽構数成をしていることを明らかにした。
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