日本庭園学会誌
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小石川後楽園の植物推移に関する考察
中島 宏
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2007 年 2007 巻 17 号 p. 13-38

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抄録

本研究の目的は、江戸時代を代表する国指定文化財庭園を対象に、植物の生育状況と推移を探り、文化財庭園における管理のあり方を提案することである。このような目的で小石川後楽園の樹木調査等をもとに分析し、植物の推移について考察してみた。その結果、(1) 高中木、低木ともに常緑樹が大幅に増加しており、近い将来、高木層の60%以上、低木層の約95%常緑樹広葉樹が占めるであろうことを推測した。(2) 高中木層を構成する主な樹種の推移は、自生種型、植栽種型、後退種型の三つの型に分けることができ、自生種型が増加し自然に近い状態になると予測した。(3) 樹木の生育状況は、ブロック毎に異なっていることがわかり、それらを自生種型、植栽種型、後退種型の三タイプにわけることができた。

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