地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
ノート
写真測量による旧横須賀製鉄所第1号ドライドックの記録と石材表面侵食量の測定
藤井 幸泰正垣 孝晴宮川 真国渡邉 邦夫
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 10 巻 4 号 p. 595-602

詳細
抄録

旧横須賀製鉄所の第1号ドライドックは,開渠後140余年を経過している。土丹層と呼ばれる更新世の泥岩で構成された白仙山を掘削して建設され,石材に安山岩を利用しているこの構造物は関東大震災にも耐えてきた。現在も使用されているドックであるが,一部の石材表面は風化によって侵食されている。石造文化財としての記録を目的とし,デジタル写真測量を用いたドック全域の記録活動を実施した。また同じく写真測量を侵食の進んでいる石材表面にも適用し,侵食量の測定を試みた。従来の侵食量測定は,野外において物差し等を用いて測定するのが一般である。写真測量等の三次元測定を実施することにより,物差しでは測定できない侵食量,すなわち体積も測定が可能である。侵食量の異なる石材表面を比較することにより,風化による石材表面の侵食過程を明らかにすることが出来た。

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 地盤工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top