2017 年 12 巻 2 号 p. 277-287
我が国では平野部において軟弱地盤が分布していることが多い。そこで,そのような地盤の支持力を確保するため,ジオシンセティックスを用いた地盤補強法が開発されている。本研究ではジオシンセティックスによる地盤補強法のメカニズムや効果的な補強法を明らかにするため,補強材の設置深度や端部構造が支持力や沈下挙動に及ぼす影響について検討を行った。重力場における2次元モデル実験と遠心場における3次元モデル実験,非線形弾塑性有限要素法による検討を通して,補強材の端部を地盤に固定する構造が有効であること,補強材端部を地盤に固定した場合における補強長は基礎幅の1.2倍程度で十分であること,補強材の設置深度は地表面から基礎幅の0.2倍程度以浅で補強効果が得られること等を確認した。