地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文
ジオグリッドを用いた補強土壁式矢板構造の提案
池野 勝哉田中 智宏白 可高橋 英紀森川 嘉之水谷 崇亮
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 14 巻 2 号 p. 179-196

詳細
抄録

著者らは,陸上工事において広く用いられている補強土壁工法の優れた補強効果に着目し,ジオグリッドを補強材として岸壁背後に適用する補強土壁式矢板構造を提案した。本研究では,ジオグリッドを岸壁構造に適用する場合の技術的課題について整理し,ジオグリッドの引抜き試験や大型模型載荷実験および遠心模型実験を実施した。その結果,気中・水中の違いや静的・振動中の引抜きに関わらず,有効上載圧が石材とジオグリッドのせん断抵抗力に影響を与えていること,永続状態および変動状態(地震時)の構造安定性について提案構造が優れていることを確認した。また,数値解析による考察を加え,ジオグリッドを主働崩壊面の陸側まで十分に定着させる必要があること,特に最下段の敷設長は全体の外部安定性に大きく影響を与えていることを明らかにし,これらを考慮した本構造の設計法を提案した。

著者関連情報
© 2019, 公益社団法人 地盤工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top