2019 年 14 巻 2 号 p. 197-204
本論文では,土粒子および土粒子間に形成される間隙を球状と仮定して,様々な土粒子径を持った土が形成する間隙径分布の算出手法を提案する。土粒子間に形成される間隙球は,互いに接する4つの土粒子球の内部にあり,4つの土粒子球全てに外接する球として定義する。間隙球の大きさの分布は,存在する土粒子球の種類と数量をもとに,4つの土粒子球を取り出す確率から求められる。また,実際の砂質土に準じた粒径分布をもつ土粒子球により形成される間隙球の間隙半径分布の計算事例を示した。この手法により,不飽和地盤の土粒子間に働くサクション応力を定量的に評価し,不飽和土におけるサクション応力を設計に反映可能となることが期待される。