2020 年 15 巻 1 号 p. 91-102
土構造物の健全性を評価する上で,その締固め度を把握することは極めて重要である。本研究は,締固め試験の効率化を目的とし,従来の締固め試験で用いられる内径10cmおよび15cmのモールドよりも小さい内径5cmの小型モールドと,小型ランマーを用いた締固め試験方法の確立を目指すものである。本論文では,5cmモールドにおける許容最大粒径および,最大粒径とその次に大きい粒径の間に入る土粒子の含有率が締固め特性に及ぼす影響を検討した。その結果,5cmモールドの許容最大粒径は9.5mmであることがわかった。また,既往の礫補正式(W&H式)を用いて,粒径9.5mm以上の礫粒子を含む土試料の最大乾燥密度の算出を検討した結果,礫粒子の含有率が30%以内であれば,最大乾燥密度の実測値と補正値の相違率は2%以内であった。