2020 年 15 巻 3 号 p. 421-433
粘性土地盤上に立地する管理型海面廃棄物処分場の底面の遮水には遮水シートを用いるのではなく,粘性土地盤を用いることが多い。このように遮水シートを敷設しないため,処分場の跡地利用にあたり杭を打設することが可能である。この場合,杭を打設する際に杭面側面の遮水性と杭打設時の廃棄物連込み挙動が問題となる。廃棄物処分場に投棄される廃棄物は多種多様であるが,ここでは,杭打設時の主として粒状の廃棄物連込み挙動に着目して,模型実験によりその挙動を観察した。実験では杭先端形状,粘土地盤の圧密圧力,粒状廃棄物の粒径の違いに着目して実験を行った。その結果,杭先端形状を変えることで,連れ込む廃棄物の量を少なくすることが可能であることを明らかにした。