バイオパイル工法の性能評価を行うために模擬汚染土壌を用いた実証試験を実施したところ,盛土内部に所要の酸素が供給できず,土中酸素濃度は時間とともに低下した。この原因には通気管と土壌の境界面で確認された短絡(壁面流れ)が影響し,必要な酸素量が供給できなかったと考えた。この仮説を検証するために本研究では,通気管と土壌層の境界面の短絡を境界条件で表現したシミュレーションによって,バイオパイル内の流れ場と酸素輸送に及ぼす影響を明らかにした。その結果,実証試験で記録された酸素濃度の低下は,短絡が支配的な原因であることがわかった。この短絡を防ぐことで,短絡がある場合より少ない吸引量で盛土内を所要の酸素濃度に維持することができた。また短絡を防ぐことで,処理可能な土量を約3倍に増やせることがわかった。