2020 年 15 巻 3 号 p. 543-549
砕・転圧盛土工法はフィルダムやため池の堤体改修を貯水池内に堆積した底泥土を固化改良して築堤土に有効利用して行う技術であり,固化改良土として初期固化土と砕・転圧土の二種類を取り扱うため室内配合試験では大量の試験を実施する必要がある。そこで,室内配合試験を費用対効果的に指針に規定された通りに実施しにくい小規模な堤体改修に適用する場合を対象に,室内配合試験を可能な限り省略できる簡略設計法を提案した。簡略設計法は,砕・転圧盛土工法により堤体改修を実施,あるいは計画中のフィルダムで実施した室内配合試験の結果をもとに組み立てたもので,詳細設計法の場合に比較すると,室内配合試験における試験実施数を2割程度までに削減できるものである。