地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
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飽和・不飽和状態で養生した高炉水砕スラグの強度発現特性
原 弘行
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2022 年 17 巻 3 号 p. 277-284

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抄録

高炉水砕スラグを用いて造成された試験盛土は数か月で大きな強度発現が確認された。それに対して,淡水に浸漬させて硬化挙動を確認した室内試験では,1年以上自立しないことも認められ,現場で発揮される硬化特性とは大きく異なる場合がある。このような結果の乖離には,飽和度が影響していると考え,本研究では異なる飽和度で養生した水砕スラグに対して一軸圧縮試験とpH試験を実施し,飽和・不飽和状態における強度発現特性を調べた。その結果,飽和度が20~80%の場合,飽和させた条件よりも早期に硬化が始まり,その後の強度増加も著しいことが明らかになった。しかし,飽和度が10%のときは硬化に長期間を要し,発揮される強度も小さいことが示された。

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© 2022, 公益社団法人 地盤工学会
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