放射性セシウム 137 を含む放射能汚染飛灰は雨水等への溶出性が高いため,このような飛灰を埋立処分する際には,埋立層上部には溶出の起源となる雨水浸透を隔離するための難透水層を,埋立層下部にはセシウムが溶出した際に備えてその移動を抑制するための土壌吸着層を敷設することになっている。このような埋立条件下における物質動態を明らかにするために,幅 2,400 mm × 高さ 2,400 mm × 奥行 600 mm の実験土槽を用いて,放射能汚染飛灰埋立地を模した屋外実験を 3 年間継続してきた。本論文では,実験土槽内で観察された雨水浸透挙動と,埋立飛灰から溶出したセシウムの浸出水濃度,および隔離層に用いたベントナイトの性状変化を述べるとともに,隔離層の導入によって形成される非湿潤領域を評価した。
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