2022 年 17 巻 3 号 p. 451-466
本研究の目的は,SWS 試験(スクリューウェイト貫入試験)におけるスクリューポイントの回転貫入時に,周辺地盤に伝達される圧力の大きさと,伝達範囲を把握することである。SWS 試験実施時の応力状態を明確にすることで,SWS 試験は,地盤の硬軟を示す定性的指標から力学的根拠を持った定量的指標へと進化する。本論文の結果は次の通り。(1)スクリューポイントの幾何学的形状からSWS 試験時におけるスクリューポイント表面から地盤に作用する圧力計算式を提案した。(2)スクリューポイントの回転貫入時に周辺地盤に伝達される圧力を実測したところ,圧力の伝達範囲(回転貫入による圧力増分が圧力センサーの計測下限値である 5 kN/m2未満となるまでの範囲)は 15~20 cm であることが明らかになった。(3)スクリューポイント表面に薄膜圧力センサーを貼付して圧力の実測を行い,提案した圧力計算式の妥当性を示した。