2023 年 18 巻 4 号 p. 349-363
トンネル発生土の有効利用を図るためジオテキスタイルを用いた補強盛土内に地盤改良杭を構築し,これによりコンクリート路盤を直接支持することで省力化軌道を支持する盛土には不適とされる材料も適用可能となる盛土構造であるパイルスラブ式盛土を提案している。筆者らは,これまでパイルスラブ式盛土の有効性について,主に耐震性に着目し振動台実験等により確認している。本稿では,パイルスラブ式盛土の動的挙動の確認を目的とした2次元動的FEM解析及び試設計により,高盛土,軟弱地盤上盛土に対してもパイルスラブ式盛土が適用可能であることを確認した。加えて,パイルスラブ式盛土は補強盛土を構築する場合と比べて経済的となることを確認した。