水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2019年度研究発表会
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【河川・湖沼】
都市化の程度が異なる河川間における流水水温の変動特性の比較
*西俣 淳一宮本 仁志
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キーワード: 都市河川, 河川水温
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p. 188-

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抄録

都市化の程度の異なる多摩川の中・下流と揖保川の観測水温を用い,流水水温の分析,比較を行った.まず,多摩川の河川水温と気象量の関係性を見たところ,河川の流量や日射の変化によって河川水温が大きく影響されることが確認された.また,流下に伴う水温の変化について,多摩川中流,下流,揖保川の3つの区間で分析を行った.多摩川下流では,流下に伴う水温の変化がなく,冬季から春先で平衡水温と大きく乖離した.これが処理水の影響が推測された.中流では,水温の変化が大きく受熱となった,また,同一の時期に河川と処理水の流量比,熱フラックス比も大きくなった.これも,処理水の影響が要因と考えられた.最後に揖保川では,若干受熱の傾向となった.また,河川水温と平衡水温はほぼ同じ値となっており,河川水温が水面熱収支的に平衡状態になった.これこれは多摩川とは異なる傾向となった.以上のことより,主に処理水流入の有無による熱収支の違いがそれぞれの河川の水温形成を特徴付けていると推察された.

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© 2019 水文・水資源学会
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