抄録
秋田県内で採取した不かく乱泥炭および練返し再構成泥炭について三軸セル内で繰返し載荷試験およびベンダーエレメント試験を実施し,せん断弾性係数の評価を行っている.ベンダーエレメント試験ではこれまでに提案されている3種類の方法によってせん断波の伝播時間を同定し,その比較からせん断波速度,せん断弾性係数におよぼす同定方法の影響について言及している.また,繰返し載荷試験およびベンダーエレメント試験によるせん断弾性係数の比較から試験方法の違いがせん断弾性係数におよぼす影響は小さいことを示している.一連の実験結果から泥炭のせん断弾性係数と平均有効応力の関係を示し,その関係がこれまでに報告されている国内外の泥炭の例と比較して25%程度小さな値が得られたこと,その値は砂のおよそ1/25,粘土の1/5程度であることを示している.