地盤工学ジャーナル
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論文(通常論文)
老朽下水管損傷部からの土砂流出に伴う地盤内空洞・ゆるみ形成過程に関する検討
桑野 玲子堀井 俊孝山内 慶太小橋 秀俊
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2010 年 5 巻 2 号 p. 349-361

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抄録

地盤内に何らかのきっかけで空洞やゆるみが発生し,それが周辺に拡大·進展して地表面に到達すると,陥没となって現れる。都市部で頻発する道路陥没において,それらの芽となる地盤内空洞の原因は,路面下に埋設物や掘削工事歴等が輻輳するうえ早急な道路復旧が優先される状況下では明確に特定できない場合も多く,現象の解明が遅れている一因となっている。一方で,下水管渠の老朽化や破損により管内に周辺土砂が流出して空洞·ゆるみが発生し道路陥没に至る事例も近年多く報告され,耐用年数を超過した管渠が増え始めている状況で看過できない問題である。本研究では,このような老朽下水管の破損が原因となる道路陥没等の地盤工学的問題を解決する一助となるよう,地盤内空洞とその周辺のゆるみ領域の形成·拡大·進展メカニズムとその評価方法について実験的に検討した。土砂流出による空洞形成の支配的要因や空洞の拡大過程について明らかにした他,空洞周辺の“ゆるみ”領域を定量的に評価し,地盤材料の土砂流出特性を整理した。

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© 2010 公益社団法人 地盤工学会
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