2011 年 6 巻 1 号 p. 121-128
本ノートでは,一連の室内試験から得られた廃ガラス製品の一種である「ガラスサンド」の地盤工学的特性について述べている。まず,物理試験,透水試験およびpH測定試験から,廃ガラスの土構造物への適用のための基本的な工学的性質と周辺環境への影響を調べた。さらに強度特性を把握するために一面せん断試験,微小ひずみ領域での変形特性を把握するためにベンダーエレメント試験,液状化特性を把握するために非排水繰返し三軸試験を実施して廃ガラスの強度・変形特性を評価した。また,廃ガラスを混合した盛土材料の土質特性の改善効果を調べる目的で,廃ガラスの混合比を変化させた供試体を用いた一連の圧縮試験を実施した。以上の結果から,廃ガラスの一次的性質は自然砂と酷似しており,環境にやさしい材料であること,強度・変形特性は自然砂よりも優れていること,廃ガラスを混合することにより盛土の圧縮沈下特性が改善されることがわかった。