地盤工学ジャーナル
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論文(特集号論文)
砂礫盛土材の締固め特性および変形・強度特性に及ぼす粒度特性の影響
上本 雄也澁谷 啓橋元 洋典川尻 峻三
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2011 年 6 巻 2 号 p. 181-190

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抄録

粒径の大きな礫を含んだ実盛土の変形・強度特性を求めるためには,原粒度試料を用いた大型三軸試験の実施が望ましいが,原粒度試料を用いた試験には数多くの制約があるため,粒度調整した小型供試体を用いた室内試験を実施するのが一般的である。一方,盛土の締固め管理には締固め度Dcを用いるが,盛土材の粒度を調整すると試料の変形・強度特性ばかりでなく締固め特性も変化する。したがって,実盛土の変形・強度特性を正しく求めるためには,締固め管理密度に相当する原粒度試料および各種室内粒度調整試料それぞれのせん断特性を明らかにした上で,適切な室内粒度調整法を選定する必要がある。そこで本研究では,兵庫県西宮市の宅地造成現場から採取した粒子形状が角張った砂礫盛土材および兵庫県南西端部を流れる千種川より採取した円礫が卓越した砂まじり礫盛土材のそれぞれについて,原粒度および異なる3通りの方法で粒度調整した試料を用いた一連の排水三軸圧縮試験を実施し,締固め特性およびせん断時の変形・強度特性に及ぼす粒度特性の影響を明らかにしている。

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© 2011 公益社団法人 地盤工学会
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