地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文(通常号)
鉄鋼スラグを用いたSCP改良による重力式ケーソン構造物の基礎地盤の地震時変形特性とその評価
木下 洋樹一井 康二森川 嘉之高橋 英紀篠崎 晴彦高橋 裕徳
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2012 年 7 巻 1 号 p. 323-337

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抄録
ケーソン等の重力式構造物構築時の軟弱粘性土に対する代表的な対策工法であるサンドコンパクションパイル工法(SCP工法)は,その中詰め材料として一般的に良質な天然砂を用いる。本研究では,代替材として固結特性を有する鉄鋼スラグを用いた場合における地震時の改良地盤の変形挙動について検討した。実験的検討として,中空ねじりせん断試験機を用いて粘土と改良杭からなる複合地盤の繰返し載荷実験を行った結果,改良部にダイレイタンシー特性が顕著に現れることが分かった。また,遠心場での模型振動実験を行った結果,鉄鋼スラグと砂を用いた場合で変形挙動は同様であるが,改良エリアにおける残留変形量は鉄鋼スラグの方が小さい結果となった。さらに,模型振動実験の有効応力法による再現解析では,鉄鋼スラグ改良地盤のダイレイタンシー特性の評価が重要であることが分かった。
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© 2012 公益社団法人 地盤工学会
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