地盤工学ジャーナル
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キャピラリーバリアの限界長に及ぼす不織布敷設の影響
小林 薫松元 和伸中房 悟森井 俊広
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2013 年 8 巻 4 号 p. 611-620

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抄録

キャピラリーバリア(以下,CBと記す)の機能評価を行うための土槽実験では,上部の砂材が下部の礫層間に混入しないように砂礫層間に各種不織布を設置している。しかし,砂礫層間の不織布の敷設が,CBの機能に及ぼす影響は明確になっていない。また,CBに用いる一般的な砂礫材の粒径差では,不織布を層境界面に敷設せずに実験を行うことは極めて困難である。このことから,筆者らはCBを構成する礫材の代替材として破砕した貝殻を用いることで,CBの機能を発揮すると共に,地震力の作用や浸透水の影響等を受けても,砂材が下部の破砕した貝殻層に混入しないことを実験的に見出した。
本論文では,CBを構成する砂層と破砕した貝殻層間の不織布敷設の有無が,CBの機能,特に限界長に及ぼす影響について,大型土槽を用いて実験的に検討した。その結果,本実験に用いた不織布については,層境界面に敷設してもCBの限界長等に影響を及ぼすことが無いことを明らかにした。

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© 2013 公益社団法人 地盤工学会
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