地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
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岩盤接着工の定量的評価と効率的な管理手法の提案
藤田 雅也沢田 和秀八嶋 厚新井 新一須崎 竜太瀧澤 嘉男
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2013 年 8 巻 4 号 p. 621-636

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抄録

発生源における落石対策工の一つである岩盤接着工について,施工管理・維持管理に関する課題を解決するため,施工効果の確認調査,耐震性能調査および施工済み岩塊の点検調査を実施した。施工効果の確認調査の結果,落石危険度振動調査が岩盤接着工による施工効果の確認方法として応用が可能であることがわかった。耐震性能調査の結果,岩盤接着工は,落石危険度振動調査の結果が安定領域内であれば,その施設が有している耐震性能は,概ね震度6強以下が一つの目安であることがわかった。ただし,この結論は2箇所のみの調査結果から得られたものであり,同様の調査データを蓄積し結論の信頼性を向上させることが望まれる。これらの知見を岩盤接着工の設計・施工管理に取り入れるとともに,定期的な維持点検を継続実施することにより,岩盤接着工の適切な維持管理が可能となり,施設の長寿命化につながるものと考えられる。

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© 2013 公益社団法人 地盤工学会
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