2024 年 3 巻 論文ID: 2024_004_OA
[目的]地域在住高齢者における,Social Networking Service (SNS) の利用が孤独感に及ぼす影響を明らかにすることとした。[方法]対象は,2023年1月に実施したweb調査において回答を得た地域在住高齢者とした。アウトカム指標は,University of Californias, Los Angeles(UCLA)孤独感尺度第3版によって定義した孤独感とした。孤独感の有無を従属変数に,SNSの利用の有無,利用頻度,種類をそれぞれ独立変数に投入したロジスティック回帰分析を行った。[結果]解析対象者は,1,038名であった。SNSの利用の有無に関して,SNSを利用している群では孤独感が有意に低かった(オッズ比[OR] 1.63 [95%信頼区間1.23-2.30])。また,SNSの利用頻度に関して,SNSを週5~6回以上利用している高齢者は月数回未満に比して有意に孤独感が低かった(OR 1.56 [1.06-2.30])。さらにSNSの種類に関して,Facebookを利用していることが孤独感の抑制に有意に関連していた(OR 2.24 [1.49-3.36])。[結論]地域在住高齢者において,SNS利用状況と孤独感に関連性があることが示された。地域在住高齢者の孤独感を軽減させる対策として,SNSの利用が有用になる可能性があり,中でも高頻度に利用すること,Facebookを利用することが重要であることが示唆された。