2019 年 15 巻 1 号 p. 24-36
本研究は,専攻や生活背景は異なるがインフルエンザ予防行動を一般大学生に比べより励行していると考えられる看護大学生150名と合宿所生活を送るボート部大学生197名を対象とし,インフルエンザ予防行動と予防知識および心理的要因との関連について調査を実施した.無記名自記式質問紙調査の結果,インフルエンザ予防行動の実施率と予防知識の正答率は,両群で近似していた.得点化したインフルエンザ予防行動を目的変数,インフルエンザ予防知識,心理的要因,属性を説明変数として重回帰分析を行った結果,両群ともに,インフルエンザ予防行動に最も関連する要因として「感染嫌悪」が抽出され,感染嫌悪意識の高まりが,インフルエンザ予防行動を促進する可能性が示唆された.さらに看護大学生においては,インフルエンザ予防知識も関連し,インフルエンザに関する情報や予防知識を得ることがインフルエンザ予防行動を促進する可能性が示唆された.