心身健康科学
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原著論文
  • 谷田貝 浩三, 矢島 孔明, 鍵谷 方子, 庄子 和夫
    2026 年22 巻2 号 p. 37-52
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/19
    ジャーナル フリー

    本研究は,魚油摂取が若年層健常人の幸福感を含む心理状態に与える影響を検討にすることを目的とし,参加者15名を魚油を摂取する群(魚油CP群)と比較群としてビタミンEを摂取する群(VECP群)に分け8週間摂取した前後に試験を行った.主観的幸福感や生活の質を測るWHO Quality of Life 26では,魚油CP群では摂取後に心理的領域等で向上が認められた.気分の状態を評価するProfile of Mood States Second Editionでは,暗算負荷前後の素点変化が,怒り─敵意と緊張─不安で有意に低下した.共感的配慮を測る独裁者ゲームでは,魚油CP群に摂取前後での拠出金額に変化は無かったが,15名全員の試験前に行った食事調査のn-6/n-3比と拠出金額が有意に相関した.以上から,若年層健常人の幸福感や心理状態に対して魚油摂取が影響していることが示唆された.

  • 松本 紗知恵, 吉田 浩子, 中山 和久
    2026 年22 巻2 号 p. 53-65
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/19
    ジャーナル フリー

    我が国の病棟勤務女性看護師の「職場風土に対する認識」と関連する職業性ストレスの低減に資する新たな知見の獲得を目的に,Web調査を実施,770人の回答を解析対象とした.「ストレス要因」に新たに「自己主張の程度」と「同僚関係に対する認識」を加え,職場風土の構成要素である「伝統性」「組織環境性」の各軸の得点の平均値を交点に全体を4群に分類,多母集団同時分析を用いて,各群のストレス要因から心身のストレス反応に至る経路を特定した.

    その結果,全ての群で「自己主張の程度」が「ストレス要因」に影響を与え,「伝統性」が低く「組織環境性」が高いⅡ群でのみ「抑うつ感」,「伝統性」が高く「組織環境性」が低いIV群でのみ「疲労感」を経由して「ストレス要因」から「身体症状」に至るパスが抽出された.「職場風土に対する認識」の違いで,「ストレス要因」から身体的ストレス反応に至る経路が異なることが新たに示された.

  • ─児童・生徒および保護者との関係性を起点とする実証分析から─
    藤原 瑞穂, 吉田 浩子
    2026 年22 巻2 号 p. 66-78
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/19
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,児童・生徒および保護者との関係を端緒とする我が国の学校教員の職業性ストレスの世代間差異を実証的に検証することである.Web調査から得た792人の有効回答を「若手教員群(39歳以下)」と「ベテラン教員群(40─59歳)」に分け解析した.両群とも「児童・生徒同士のトラブル」に起因する負荷が「心理的安全性」に影響していたが,「心理的安全性」から心身のストレス反応へと至る経路に相違が見られ,「ベテラン教員群」のみ,「心理的安全性」が「イライラする」を低減する直接効果が示された.一方「若手教員群」は,児童・生徒に対する「特別な支援や配慮」が必要な場合に「職場のサポート」を獲得しやすいものの,それは「心理的安全性」の向上には結びつかないことが示された.学校教員のストレス低減には,「ベテラン教員群」は身体的負荷を,「若手教員群」は心理的安全性の担保を重視した,世代相応の心身の支援が必要である.

第42回 日本心身健康科学会学術集会 メインテーマ「心身健康科学の現在地と展望」
教育講演
第42回 日本心身健康科学会学術集会 人間総合科学大学大学院 研究発表会合同大会 抄録
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