心身健康科学
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原著論文
  • 遠藤 寛子, 中山 和久, 鈴木 はる江
    2018 年 14 巻 1 号 p. 2-16
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー

    健康行動を促進する心理社会的要因の因果関係モデルを構築することを目的として首都圏在住の中年,前期高齢者世代を対象にインターネット調査を実施し,1,240名を分析対象とした.健康行動の関連要因として抽出された,「水平的繋がり」,「ソーシャルサポート」,「認知的ソーシャル・キャピタル:SC」,「健康観」,「首尾一貫感覚:SOC」の構成概念を潜在変数とした共分散構造分析により,因果関係モデルを作成した結果,健康行動を直接的に促進する要因は,すべての年代・性別において,自分が健康であると感じ自身で健康をコントロールできると考える健康観であり,中年世代に比べ高齢世代で健康行動に強く影響した.高齢女性では水平的繋がりも直接的に健康行動に影響した.健康行動の間接的促進要因として,すべての年代・性別でSOCの高まりが健康観を高め,健康行動を促進した.また認知的SCは,中年女性及び高齢男性では健康観,高齢女性では水平的繋がりに影響し,健康行動を間接的に促進した.健康行動を促進するには健康観を高める要因であるSOCの強化が有効であり,さらに,高齢期に向けて男性に対しては認知的SCの強化に寄与する働きかけ,女性に対しては水平的繋がりの促進に向けた支援が有効であることが示唆された.

  • 大山 史朗, 坂本 和義, 鈴木 はる江
    2018 年 14 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー

    本研究では, 精神的ストレスが立位における体幹動揺および自律神経機能へ及ぼす影響について検証した.

    対象は健常成人男性16名とした. 精神的作業負荷として文字の意味と色が一致しない文字列を音読するストループ課題 (ST) を, コントロール課題としてモノクロ文字列の音読を実施した. 測定項目は, 課題に対する主観的評価 (VAS), 背部2箇所 (第1・2胸椎部, 第11・12胸椎部) の振動, 耳朶脈波とした. 脈波の周波数解析から低周波数成分を高周波数成分で除した値 (LF/HF 値) を自律神経機能として分析に用いた.

    心理的ストレスおよび疲労感のVASは, ST後でコントロール課題後と比べて有意に高値を示した (P<0.05). 第1・2胸椎部の動揺およびLF/HF値は, ST中で試行の前後と比べて有意に高値を示した (P<0.01). 精神的ストレスにより上部体幹の動揺とLF/HF値が高まることから, 精神的ストレスは交感神経活動亢進を伴って筋緊張を亢進させると示唆された.

研究報告
  • 鈴木 恵美, 玉木 雅子, 橋詰 直孝
    2018 年 14 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー

    食事摂取パタンと月経に伴う不快症状の関連を明らかにし, その改善について, 食生活, ストレス, 生活習慣, 体格に関する意識などから総合的に検討した.

    N大学の女子学生276名を対象に, 無記名自記式質問紙調査を実施した (有効回答率64.4%, 172名). 質問項目は, 対象者背景, 回顧的月経随伴症状 (MDQ) 日本語版, 半定量食物摂取頻度調査FFQg調査票, 簡易的ストレス度チェックリスト (桂・村上版) である. MDQ得点と相関関係 (Spearman) が認められた項目を独立変数, MDQ得点を従属変数とした重回帰分析 (強制投入法) を実施した.

    結果は, 月経に伴う不快症状には, 希望体重, 横またはくつろぐ時間, 洋食型主菜選択が負の, ストレス度得点が正の影響力をもっていた.

    痩身願望, 休息不足, 魚を除く動物性たんぱく質を摂取する食事選択の傾向が低いこと, 日常的ストレスが大きいことが, 月経に伴う症状を重くしており, 不快症状の改善には, これらの是正や解消が必要である.

  • 美濃 陽介, 吉田 浩子
    2018 年 14 巻 1 号 p. 34-42
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー

    就労者の「こころ」と「からだ」の関連における新たな知見を得るための一助として, 高校教員の職業性ストレス緩和につながる手がかかりを得ることを目的に, 自記式質問紙郵送調査を実施した. 公立高校教員1,191人に質問紙を郵送, 返送された回答から不備等を除き87人の回答を分析対象とした (回収率8.2%, 有効回答率88.8%). 業務に対する積極的価値づけ (「やりがい」「働きがい」) と新職業性ストレス簡易調査票の回答結果の関連を分析した.

    回答者全体の78.2% (68人) が教員業務に積極的価値を見出しており, ストレスコントロールが良い集団であったが, 重回帰分析の結果, ストレス要因には「業務に対する積極的価値づけ」の有無と関連する要因と無関係な要因があることがわかった. 従来から教員の職業性ストレス緩和のために「働きがい」や「やりがい」の創出の必要性が指摘されているが, それだけでは不足であることが示唆された.

第25回 日本心身健康科学会
特別講演
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