心身健康科学
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研究報告
訪問リハビリテーションに従事する作業療法士の職業性ストレスに関する研究
菊池 大典鈴木 はる江
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2020 年 16 巻 1 号 p. 15-22

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抄録

国が推進する地域医療構想の実現に向けて,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の需要が増す中,作業療法士(以下,OTR)の配置は必ずしも十分ではない.本研究は訪問リハに従事するOTRの職業性ストレスとその関連要因を明らかにすることを目的に,OTR101名(有効回答率78.9%)の職業性ストレスを調査し,ストレス反応と基本属性,臨床経験,ストレス要因の関連性を分析した.重回帰分析の結果,満足度がストレス反応の緩衝要因として最も影響しており,活気には正の相関(β=0.437,調整済みR2=0.305)を示し,抑うつ感(β=-0.546,調整済みR2=0.291),イライラ感,疲労感,不安感,身体愁訴には,満足度が負の相関として回帰式が得られた.このことから良好なメンタルヘルスを保つ為には,仕事と家庭に満足していることの重要性が示唆されたと共に,今後は満足度の具体的な内容を明らかにすることが,より良いメンタルヘルス対策の検討に資すると考えられた.

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© 2020 日本心身健康科学会
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