心身健康科学
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原著論文
乳がん経験者が心身ともによりよく生きるプロセスに関する研究
—Antonovskyの健康生成論の視点から—
福島 直子尾島 喜代美中野 博子
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2013 年 9 巻 2 号 p. 103-111

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抄録

乳がん患者は心身に様々な困難を持ちそれが精神症状へと進む人がいる一方で,心身の健康を維持し能動的に生きる人もいる.健康生成論では,人々の健康を回復する要因は首尾一貫感覚:Sense of Coherence (SOC) にあるとされている.そこでSOCの高い乳がん患者の経験を探索的に明らかにし,健康生成論的な視点で分析し構造化することを目的とし研究を行った.乳がん患者会所属者の内SOCの高かった6名を対象とし,半構造化面接を行い修正版グラウンデット・セオリー・アプローチで分析した.その結果,得られたモデルは【現実的に対応する】【不調に直面する】【前向きな生】【生きる力の蓄積】【現実への満足感・充足感】の5つのカテゴリーにより構成された.そして,モデルはこれらのカテゴリーを内包した問題把握のプロセス,問題処理のプロセス,意味づけのプロセスが循環して展開することが明らかになった.

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© 2013 日本心身健康科学会
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