医療看護研究
Online ISSN : 2758-5123
Print ISSN : 1349-8630
原著
外来通院中の壮年期関節リウマチ患者における療養生活とQOL
─生物学的製剤療法との関連性の検討─
樋野 恵子青木 きよ子高谷 真由美
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2014 年 11 巻 1 号 p. 17-26

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抄録

 本研究は、外来通院中の壮年期関節リウマチ患者における療養生活の実態とQOLの特徴を明らかにし、生物学的製剤療法との関連性を検討することを目的とした。首都圏の特定機能病院に通院中の関節リウマチ患者に、背景要因、療養上の困難、主観的QOL等に関する自記式質問紙調査を実施、40歳から64歳までの77名を分析対象とした。得られた結果は以下の通りであった。生物学的製剤使用群と非使用群とで有意差のあったものは、入院有無、医療・福祉サービス利用の有無、m-HAQ得点であった。また、職業、診断年数、入院回数に関しては、使用群と非使用群との間で回答のパターンが有意に異なっていた。使用群非使用群とも療養上困難であると高く認知していた項目は、病気進行や将来への不安であった。使用群は非使用群よりも主観的QOL得点が低かった。使用群の主観的QOLとの相関が強かった療養上の困難は、身体機能の低下がもたらす役割遂行困難とそれに伴う心理的負担感であった。以上のことから、看護者は患者が辿ってきた経過や心情を理解し、身体的困難の緩和や周囲への療養負担感の軽減に努め、患者にとって納得した選択ができるよう支援していくことが重要であると示唆された。

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© 2014 順天堂大学医療看護学部
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