目的:本研究は喉頭摘出者のQOLとQOLに関連する要因を明らかにし、看護の示唆を得ること、喉頭摘出者におけるQOL研究の課題を見出すことを目的とする。
方法:Pub Med、CINAHL、医学中央雑誌 Web ver. 5で喉頭切除およびQOLに関する文献を検索し、26文献(英文献25、和文献1)を分析対象とした。そして、QOLを構成する領域である主観的健康感、身体的領域、社会・心理的領域よりQOLを概観し、QOLとQOLに関連する要因について整理した。
結果:喉頭摘出者のQOLは、疼痛や呼吸困難、摂食機能の障害、会話機能の低下といった身体症状で低下し、活動や社会的な関わりの低下、うつ傾向といった社会・心理機能で低下することが示唆された。そして、コミュニケーション手段、年齢や雇用・経済状態、教育レベル、化学放射線療法併用治療といった個人背景が複合的にQOLに関連していることが示唆された。
結論:喉頭摘出で喪失した機能を補い、 新たなコミュニケーション手段を獲得できるような援助が求められる。
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